ただでさえ聞きなれない家族信託の分野には「遺言・遺言代行信託・遺言信託」等、信託が関係するややこしい言葉が多々ありますので、詳しくご説明いたします。

遺言書とは、遺産相続に関する希望（誰に何をどのくらい等）を書面に残したものをいいます。遺言書には主に「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の三形式ありますが、秘密証書遺言は現在あまり使われていません。
自筆証書遺言と公正証書遺言は法律で定められた要件を満たし作成しなければなりません。遺言書が無効となった場合、相続人は法定相続分の遺産分割、あるいは相続人全員で話し合う遺産分割協議によって遺産分割方法を決めます。

遺言信託といわれるものには大きくわけて二つあります。

信託銀行が遺言書の作成・保管、執行を行います。信託銀行で遺言書の作成を行うことで遺言書の効力が変わることはありませんが、信託銀行が遺言執行者になります。

遺言で、信託によって何をどうしたいかを明記しておくことで、遺言者の死後、契約による信託と同等の信託を行うことができます。
また、遺言者の死亡時の財産の状況や親族の関係性を考慮した上で、受託者に分け方を決めてほしい場合に活用されることもあります。

「遺言の代わりになる信託」のことを言います。
生前の遺産分割方針が決まっていない段階であっても、遺言代用信託の契約をすることにより、亡くなられた方の口座から葬儀費用を引き出すことが出来たり、財産を一括で相続せず、定額を決めた時期に渡すように指定する等が可能となります。